僕の会社のエライ人(後期高齢者)が結構な資金を投下して投資信託を購入しているようですが、電話の様子ではどうも毎月分配型投資信託のようでした。
通帳に毎月数万円の分配金が入っているようで、本人は満足しているようです。
自分の好きなものを買ったり、孫にお小遣いをあげたり、不労所得で自由になる手元のお金が得られて、そりゃ嬉しいですよね。
ご年配の投資家には「毎月分配型」は人気のようです。
でも、資産形成においては非効率なので、「毎月分配型」が持つ3つのデメリットを考えると、将来の老後資産や教育資金形成が投資目的である40代の僕たちは毎月分配型投資信託はヤメておくべきでしょう。
分配金の出る仕組みや現状を踏まえて、毎月分配型投資信託の3つのデメリットを見ていきましょう。
投資信託から分配金が出る仕組み
投資信託は投資家からお金を募って、それをファンドマネージャーがまとめて運用します。
運用の結果、得られた利益を投資家に還元するのが分配金で、普通分配金とも言われます。純粋に利益から得られる分配金なので課税対象になります。
ところが運用に失敗しても分配金が出ることがあります。元本払戻金(特別分配金)と言われます。
利益が出ていないので、投資家から預かった資金を取り崩して分配金とします。
元本払戻金は「分配金が入ってきてラッキー」と喜べませんね、投資信託に預けたお金の一部が戻ってきただけなので。
そして利益から得られた分配金ではないので、これは非課税です。もちろん「非課税で貰えたぞ、やったぜ!」なんて喜べません、何度も言いますが「預けたものが返ってきただけ」ですから。
この2種類の分配金の意味を理解せずに「分配金が毎月入ってきてありがたい!」と思っている投資家さん、気を付けましょう!
意外と人気がある毎月分配型投資信託
価格.comの投資信託ランキングを見ても、【人気投資信託ランキング】の上位10銘柄のうち、4銘柄が「毎月分配型」「毎月決算型」といった毎月分配金が受け取れるタイプの投資信託になっています。
「毎月分配型はやめておくべき」という意見がある一方で、「毎月分配金が出ると生活が豊かになる」ということで人気のある投資信託でもあります。
年金受給者などは給与を得ていた頃よりも収入が減っていたら、毎月の分配金などで年金にプラスしたいと思う人もいるでしょう。
将来の資産形成を頑張らないといけない40代の僕たちは、分配金も再投資して複利効果を最大限に活かしたいところですね!
もちろん優良な毎月分配型投資信託もありますので全力否定はしませんが、投資目的が長期的な資産形成なのであれば合わないということです。
では、40代からの投資で「毎月分配型投資信託」で何がいったいだn3つのデメリットを見ていきましょう。
「毎月分配型」投資信託をやめるべき3つのデメリット
デメリット①元本から分配している可能性
投資信託の運用益から定期的に分配金(普通分配金)が得られれば、その投資信託とファンドマネージャーは優秀だと言えます。そこには更にお金が集まり、投資信託は大きく成長していくでしょう。
一方、運用成績が振るわなくて分配金が出ていない投資信託に誰が投資をするでしょう。
そんなダメな投資信託でも元本払戻金(特別分配金)という分配金を出すことが出来ます。投資家から預かったお金の一部を分配金として返せるんですね。
「飢えたタコが自分の足を食べる」その姿に見立ててタコ足配当なんて言われ方もします。
投資家から預かった資金から配当されると、純資産が目減りすることになり、基準価額(投資信託の値段)も下がることになります。
長期的な資産形成が投資の目的であるなら、元本の取り崩し⇔再投資を繰り返していても投資信託の価値は上がりませんので、非効率極まりないですね
ぱっと見には「利益から分配されているのか」「元本から分配されているのか」は分かりにくいので、特に投資経験の浅い初心者にも向いていません。
デメリット②NISAの非課税枠が無駄になり、複利の効果も薄れる
NISAの非課税枠が無駄になる
NISA口座で運用している投資信託から普通分配金を受け取ると、非課税で分配金が受け取れてとてもありがたいですね。
でも分配金が元本払戻金(特別分配金)だったら、元本の取り崩しなのでNISA口座でなくても非課税で分配されます。
NISA口座じゃなくても非課税になるものに対して、限られた非課税枠を使ってしまうのは、いかにも勿体ない話です。
複利効果が薄くなる
複利効果についてはこちらを参考にしてください。
あわせて読みたい
投資信託初心者に知っておいてほしい6つ投資用語+α~複利運用・複利効果~
毎月分配型投資信託から得た分配金を、再投資に使う人が意外と多いんです。
でも普通分配金だと受け取る際に約20%課税されますので、再投資に回すお金が減ってしまいます。
また投資信託によっては購入するたびに数パーセントの【購入時手数料】が必要なものもあり、毎月支払い続けるのはコスト面でとても勿体ないです。
さらにNISA口座の場合だと、新たな買付とみなされますので、大切な非課税枠を使うことになってしまいます。
将来の資産形成の為に効率よく長期投資をしていくのであればNISA口座での複利運用は欠かせませんので、効率よく無駄なく非課税枠を活用したいですよね。
老後資産や教育資金をコツコツと形成していきたいのであれば、配当金再投資型の投資信託を選び、複利効果を最大に活かした長期運用一択です!
デメリット③コストが比較的高め
今とても人気のあるeMAXISSlimシリーズはとにかく低コストです。それに比べると毎月分配型投資信託は高コストの商品が多いです。
価格.comの投資信託ランキングの上位にランキングされている【毎月分配型投資信託A】と【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】比較してみましょう。
毎月分配型投資信託A | eMAXISSlim全世界株式 | |
購入時手数料 | 3.3% (購入額1億円未満) | なし |
信託報酬 | 年1.727% | 年0.1144% |
信託財産留保額 | なし | なし |
もし毎月受ける分配金を再投資に回すのであれば、その度に3.3%の購入時手数料が必要になります。
再投資額が1万円だったら購入時手数料330円、12か月で3,960円。10年間の長期保有であれば4万円近くが手数料として必要になります。
eMAXISSlim全世界株式だったら購入時手数料は必要ありません。
更には保有している金額に対して毎年1.727%の信託報酬がかかります。eMAXISSlim全世界株式の0.1144%と比べると15倍もの違いがあります。
保有資産額が大きくなればなるほど、信託報酬コスト差はより大きく変わりますので、どちらの投資信託の方が効率がいいかは一目瞭然ですね。
最後に
40代から始める投資において「毎月分配型投資信託」は必要ありません。
投資信託を選ぶなら分配金再投資型の低コスト投資信託一択です。
同じ40代投資家として具体的にお勧めするなら、2つのインデックスファンドです。
積立NISAで人気のファンド:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
どちらかは長期的に積立て続けていけば、投資の基本「長期」「積立」「分散」が出来ていることになり、10年や20年という長期目線で見れば「負けない投資」に近づきます。
非効率な水漏れのように毎月チョロチョロと分配金を受け取るのではなく、複利効果を活かして将来の資産形成を目指しましょう!
以上、エンティでした!Nice meeting you & Have a great day!!
僕はNISA口座を楽天証券で運用しています。楽天ポイントを活用したポイント投資もできます!
【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)】ももちろん買えます。
口座開設はこちらから↓
楽天証券楽天カードを持っていなければ、入会費も年会費も無料なので作っておきましょう!
楽天市場でのお買い物はポイント2倍!!
コメント