一般的に「株式が下がると債券が値上がりする」「株式が上がると債券が値下がりする」という風に、株式と債券は逆の動きをすると言われています。
それは株式がリスクが高く、債券は安全性が高いからです。
なぜ株式と債券が逆の動きをするのか、株と債券の違いから逆相関の仕組みを説明します。
投資を始めるにあたって、資産分配の際の参考にしてもらえたら幸いです!
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株式はリスクがあるので安全な債券で運用したい
株式と債券の逆相関関係って何?
株式への投資とリスク
「株式への投資はリスクが高い」、投資をしてない人や投資初心者ほどそう思っているんじゃないでしょうか。でも、投資はギャンブルではありません。
コレ!という企業にお金を出資して株式を購入し、その企業の所有者(株主)の一人となることで、その企業の利益から配当金が貰えます。また企業が成長した時に株式を売れば、購入した金額よりも高く売れて売却益が得られることでしょう。これが株式への投資です。
株式投資の魅力
株式投資をする目的は概ね次の3つではないでしょうか。
- ・購入価格よりも売却価格が高いと、売却差額が利益になる
- ・企業が利益を上げると、そこから配当金が貰える
- ・株主優待として企業の製品やサービスが受けられる
株式投資の最大の魅力は安く買って高く売り、その差額利益(キャピタルゲイン)と、配当金(インカムゲイン)の両方を狙えるところではないでしょうか。
株式投資のリスク
株式投資にリスクがあるのは間違いないですが、リスクを正しく理解しているかどうかが大切です。
- 株式投資のリスク
- 業績や経営環境、社会状況などにより株価が下落して損失を被る可能性がある
- 株式を発行している企業が上場廃止になる、倒産する可能性がある
- 常に値動きがあるので、希望する金額で売ったり買ったりできない可能性がある
このようなリスクがあるということを理解した上で、リスクを回避する・軽減する方法も沢山あります。インデックスファンドに長期的に積立投資することも一つです。
また様々な分散投資もリスクを回避・軽減する方法の一つです。
投資でいう「リスク」とは値動きのことを言います。「ハイリスク」「リスクが高い」というのは値動き幅が大きく激しいこといい、「ローリスク」「リスクが低い」とは値動き幅が小さいことをいいます。
債券への投資とリスク
債券投資というものは企業への貸付であり、貸付額の全額が償還日に返還され、また償還日までに受け取る利子も決まっているので、安定した投資だと言えます。
債券投資の魅力
企業が活動資金を集める際に債券を発行します。債券投資というのは、この債権を購入して企業にお金を貸すことを言います。株式投資とは異なり企業の所有者にはならずに、貸したお金は債券の満期(償還日)に合わせて返済されます。
債券投資のメリットは、あらかじめ決められた利子を受け取ることが出来て、かつ償還日には債券額面で返還されるところです。値動きの大きい、つまり値下がりのリスクのある株式投資と比べると、比較的安定的に収入を得られる投資だと言えますね。債券が安全資産といわれる訳です。
また債券は売却が可能で、償還日前に売却して現金化することが出来るので、流動性も比較的高いです。
債券投資のリスク
債券投資の最大のリスクは、債券発行もとである企業等が財政難や倒産などで決められた利子が受け取れなかったり、償還日に額面通りに返還されない可能性があります。
また売買が可能である以上、その時の市場価格によっては債券を売却するときに売却損が生じる可能性があります。外貨建ての債券であれば、為替リスクも考えられます。
債券投資そのものではありませんが、債券市場ETF【BND】の記事を読んでもらえれば、不景気や株価の暴落に対して債券に一定の耐性があることが分かるかと思います。
株の値動き、債券の値動きの関係
株式投資と債券投資の特徴を見てみると、株式投資はリスクが高く、債券投資はリスクが低いことが分かります。これらの特徴が、株式と債券が「逆相関関係にある」と言われる所以です。
例えば景気がいいと株価が上がります。企業の業績が上がるからです。業績のいい企業には更にお金が集まり、さらに利益を生むだろうと考えられるので、その期待によって市場の株価が上がっていきます。
値動きが小さい債券からお金が離れ(債券が売られ)、値上がりが期待される株式にお金が流れていく(株式が買われる)ことになります。つまり市場での債券の価値が下がり、一方で株式の価値が上がるというわけです。
逆に景気後退の局面では企業の業績が悪化し、株価が下がることが予想されます。配当金も引き下げられるかもしれません。すると債権を持って利子を確実に得るべきだという流れになり、株式は売られて値を下げて、債券は買われて値上がりすることになります。
このような形で「株価が上がると債券が下がる」「株価が下がると債券が上がる」という逆相関関係が出来上がります。
以上のことから、ポートフォリオが株式投資一色だとリスクが高く値動きが大きくなりがちですが、安定資産である債権を一定割合含めておくと、ポートフォリオ全体の値動きをマイルドなものにしてくれます
最後に
債券は利益だけを見れば余り魅力的な投資対象とは言えませんが、ポートフォリオ全体のリスクコントロールには役立ちます。
リスク許容度を考えた上の話ですが、若い人・独身の人は多少大きくリスクを取っても仕事や副業など他でカバーする時間も体力もあります。そういう人は債券よりも株式の割合が大きくてもいいと思います。余りにもリスクを取らなさすぎると、逆に目標とするゴールにいつまでたどり着けなくなる可能性が高まります。
一方でリタイヤ後やリタイヤ間近の人は、今さら大きなリスクを取る必要もありませんし、若い間に形成してきた資産を使う時期に近づいてきますので、債券などをより多く持つことで、ポートフォリオ全体の安全性を高めるのがいいと思います。
どちらも個人的な見解ですので、いずれにしても自分のリスク許容度をしっかりと踏まえて、適度なリスクを取り、より効率のいい資産形成を目指しましょう!
以上、エンティでした!Nice meeting you & Have a great day!!
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